2021.03.25
自筆証書遺言のルールが変更になりました。
(令和2年7月10日施行)
変更事項のうち大きな点は法務局で自筆証書遺言を保管する制度が新設されたことです。
自筆証書遺言は個人が作成したいときに自宅でコストをかけることなく作成することが
出来ます。とても便利です。
しかし、亡くなった時に遺言書が紛失していたり、その存在すら誰も気が付かないことも
あります。又、発見した相続人は家庭裁判所で検認の手続きを取らないと遺言書の内容を
現実化することができません。
そこで、「法務局における自筆証書遺言に係る遺言書の保管制度」が創設されました。
この制度を利用すると遺言者死亡後の検認手続きは不要です。
自筆証書遺言ですから、財産目録以外は自筆しないといけません。
又、余白等は規則に従って作成する必要があります。
財産目録が不動産や銀行預金の場合は、登記事項証明書、預金通帳見開きの頁のコピーに
署名押印して財産目録の代わりにすることも出来ます。
※記載方法、作成方法等必ず専門家に相談するか法務省のホームページでご確認下さい。
どこの法務局に行けばいいか
①ご住所地を管轄する法務局 ②本籍地を管轄する法務局 ③不動産の所在地を管轄する法務局
のいずれかです。
必要書類
①遺言書(財産目録があればそれも)
②申請書(オンラインでダウンロードするか法務局窓口で書式をもらってください)
③遺言者の本籍の記載のある作成から3か月以内の住民票
④本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、運転経歴証明書、等)
⑤手数料 3900円収入印紙で納付(法務局でも購入できます)
書類がそろってもいきなり法務局に行かないで必ず日時の予約を取ってからにしてください。
遺言書の保管の手続きが完了すれば
「保管証」という保管法務局と保管番号を記載した書類が発行されます。
家族の方、あらかじめ就任を承諾している遺言執行者に保管番号を
知らせておくと何かの時に役立つと思われます。
遺言された方は
①どのような遺言書を作成したか閲覧の請求をすることが出来ます。
②遺言を撤回することが出来ます。
③申請書の内容に変更があった場合に変更の届出をすることが出来ます。
(注:遺言書自体の変更ではありません。遺言書を訂正したいときは撤回
して再作成します。)
遺言者が亡くなった場合に相続人は
①遺言書が保管されているかどうかを確認することが出来ます。
②保管されている遺言書の内容を証明書という形で請求することが出来ます。
(但し、証明書の交付を受けると他の相続人等に遺言書が保管されていることの
通知が発送されます。)
新しい制度ですので、浸透するまでに時間がかかると思います。
上記の情報だけでなく、色々なことも考えて遺言書は作成しないといけません。
例えば自筆証書遺言ではありませんが、以前からの公正証書遺言の方が利用しや
すい方もおられることでしょう。
司法書士等に相談して、ご自身にとって一番利用しやすい方法をお取りください。